club-kiritansu’s diary

倶楽部 桐箪笥へおこしやす!

京都の年中行事〜冬編

紅葉も終わり、観光客の波も少しおさまって、日常を取り戻したかのようにみえる今日この頃、、、が!!気がつけばお師匠も走る!12月の京都。

 

 

まだみなさんが出勤するまでは時間がありますねぇ、、、

1年の中でも特に忙しいこの時期、花街の風物詩。

今日は少し、そんなお話をしまひょか。

 

 

12月の京都といえば、南座で行われる歌舞伎の吉例顔見世興行、いわゆる『顔見世(かおみせ)』ですね。

 

顔見世をみないと新年を迎えられへん!と、思ってはる京マダムは大変多く、観光客もたくさん来ますし、歌舞伎役者さんの人気も相まって、年々チケット取りが困難になっていますねぇ。

特に、顔見世では襲名披露の口上もありますからね、ご贔屓の役者さんの晴れ舞台は見たいいうのが、人の心ってもんです。

 

 

顔見世の楽しみ方の一つ、、、なかでも、舞妓ちゃんや芸妓さん達が一堂に会する『総見』は見ものです。たまたまその日に観劇できた人たちはラッキーですよ。桟敷席にズラリと居並ぶ姿は壮観そのもの!歌舞伎役者の華やかさに、さらに花を添えますからねぇ。

 

最近は「着物で観劇したい!」っていう若い人が増えてますなぁ。これも楽しみ方の一つでよろしいね。ただね、訪問着じゃなきゃいけない!とか、小紋だと普段着だ!なんてね、そんなルールはあるようでないんですよ。 みなさん正解を求めすぎてますわ。

あくまでね、常識はいりますよ?後ろの席の人がみえないくらいに頭を盛ったりしない!とかね。特に南座は席幅が狭いから、大荷物を持ち込まない!とかね。そもそもこれは和装洋装関係あらしません。

誰かに何か言われたらどうしよう?とか、言われたくないから着ない!なんてもったいないですわ。せっかくの歌舞伎観劇、堂々と着たらよろし。

それでも抵抗があるんだったらね、好きな役者さんにちなんだ柄を取り入れたり、演目に所縁のあるものをテーマにコーディネートしたりするのは粋なお洒落ってもんです。みなさんね、小紋=普段着が気になるみたいですけど、私の知り合いの着物好きな方なんかは、長丁場で疲れちゃうから、帯は半幅帯で貝の口とか矢の字でペッタンコにしたら、背もたれにも寄っかかれるしお勧めやー言うてましたわ。とにかくね、おおいに着たらよろし!難しいこと考えんとね!

 

 

小ネタでいえばね、この時期の舞妓ちゃんは「まねき」を模した簪(かんざし)をしてるのでね、これもまた季節感があってよろしいね。役者さんに名前を入れてもらってますよ。女形なら朱色やし、すぐわかります。 

 

 

私なんて、丁稚(でっち)の頃はお金も休みもありませんでしたから、、、丸一日休みがとれた日には、少ない小遣い握りしめて南座へ通ったものです。いつかは桟敷席で、菱岩さんの仕出し弁当をいただきながらね、観劇したいなぁなんてね、夢見たもんですわ。

でもね、現実は一番席料が安い、天空席しかとれなんですが、三階席の後ろの方だとね、大向う(おおむこう)さんがいらっしゃるんですよ。。。当時はその存在を知らなくてねぇ。張りの良い掛け声が真後ろから聞こえた時には、心底びっくりしたもんです(笑)あ、大向うさんっていうのは、ほら、「成田屋!」とか、「中村屋!」って掛け声をかける人のことですよ。あれね、誰でも声かけていいっていうわけじゃあなくってね、暗黙のルールがね、あるんですよ。。。特に女性の方はかけてはいけないと言われておりますのでね、心の中で叫びまひょ。

 

 

 

あとは『事始め』。この日から花街は新春の準備にとりかかるんですよ。朝から挨拶回りでみんなあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、、、ウチのママもいよいよ大忙しです。

 

倶楽部桐箪笥の仕事納めまであと少し、、、、

 

 

…おやおや、もうこんな時間だ。すっかり語ってしまったみたいで失礼。番頭も長年やっていますと、行事で季節を感じる癖がありましてねぇ。ついついあれこれお喋りがすぎてしまいましたかな。

 

ちょうど、みなさんも出勤してきたようですよ、、、

 

 「…ちょっとしたパーティーって・・・!!」

「…そんなん言うたって・・・!!」 

 

ふふふ、またなにか一波乱ありそうですねぇ。。。