ママ!私もう限界!!
ママ!私もう限界です!!
一つ紋の色留袖でいるのって無理!
ただただ、お茶引いてるわけじゃないんです!
私のニッチすぎる需要じゃ…
指名が入らないんですぅー!
私だって努力しました。
でも…五つ紋にしたら「格」が上がりすぎちゃうし、ママと同格になるなんて、さすがの私でも烏滸がましいことだって…
えぇ、わかってます。
だから一つ紋なら、訪問着さん姉さん達と同じフィールドで戦える!って思ったんですけど、
いざ席についたら私、胸のまわりに柄が全然ないから……
華やかさに欠けちゃうんです!
地味なんです!
かといって、三つ紋を入れちゃうと、
格的にお姉さん達を追い抜いちゃうことになるから、そこは…やっぱり…ねぇ…いれるわけにいかないしぃ……
三つ紋だと…
リオオリンピックの閉会式で都知事が着ちゃうレベルですから、ねぇ…
さすがにそうなると、ドン引きっていうか…ねぇ…
どこに行くんだ?みたいな…
東京オリンピックまで出番ないのか?!みたいな…
紋が入ってるからって、お客様もヘンに遠慮して、私のこと扱いづらいって避けてる気がするんです!
私、重たい女って思われていないですか?
私、お高い女って思われていないですか?
アフターも同伴も誰もしてくれないもの…
でも、私に紋が入っていない状態なんて、
それこそ「ありえない」じゃないですか!
私のアイデンティティーって、そこでしょ?!みたいな。
・・・えぇ、色留袖にも良いところがある?
黒留袖に飽きた既婚女性が結婚式で着たがるって??
・・・ママ、それ、あの人のことじゃないですか?
私、あのオバさん嫌いです!
でしゃばんじゃないわよ!って感じ。
結婚式の主役はあくまで新郎新婦であって、アンタじゃないのよ!
勘違いすんな!って思いません?
黒留袖は十分素晴らしい着物だわ。
既婚者なんだから、まずは格式を重んじなさいよ!
アンタに着せる色留袖なんたぁないわ!!!
はぁはぁ……
・・・えぇ、結婚式に参列する親族姉妹が着られるからいいじゃないって?
ママ・・・慰めにもなってませんよ。
その組み合わせ、どれだけの可能性を秘めてると思われます?
とある姉妹がいたとしましょう。
その弟が結婚するとしましょう!
はい!アウトォオオオオオオー!!!
すでに「イ・キ・オ・ク・レ」の小姑がウロウロしてるってことですよね?
え?兄の結婚式にはって…?
そんな時は華やかな振袖ちゃんが活躍するでしょ?
もう!
この時点で!
私の出番、かなり少ないんじゃ………
えぇ、たしかに、たしかにその需要があることは認めます。でも、結婚式の時は三つ紋が基本になりますよね。 私、一つ紋ですから…少し格式下げていいYO!って感じで…
話、戻しますけど!
未婚かつ、振袖ちゃんを着るには既に十分ヤバいお年頃な姉妹。
だって、歳がそこそこいってるのに、私はまだ結婚してませんアピールって、この絶妙な年齢設定、どうしてくれるー!って思いませんか?
なんで晴れの日に公開処刑されなきゃならねぇんだよ!って…
親族勢揃いの舞台で、イキオクレの小姑っていうレッテル、どこで外すんだっていうね!
あ!あとですねーこの前、色無地ちゃん達と一緒にお茶席によばれた時なんですけどぉー、、、
『色留袖さん!ご指名入りましたー!』
『え?!ウソ!ママ〜久しぶりに羽織袴様ですよ!やったぁ〜♪いってきまーす!』